思考の限界

思考

思考にはいろんな制限がある。

たとえば、複数の思考を同時に扱うことはうまく出来ない。

「1+1」と「1-1」を同時にやってみると、簡単な計算でも難しい。

大体、「1+1=2」とやってから、「1-1=0」と順番にやる。

部屋の様子や外の景色をボーっと眺める。

いろいろなモノが目に入るが、思考は大体一つのモノゴトに捉われている。

せいぜい二つか、頑張っても三つくらい。

いろいろなモノゴトに意識の対象を移してみる。

例えば、目の前のリンゴに意識を向けてみる。

リンゴからコップ、読みかけの本、空を飛んでる鳥、とか意識しながら対象を変えてみる。

当然、リンゴを見ているときはリンゴ、コップを見ているときはコップについて思考している。

これはリンゴ、これはコップとか。

次に、二つの対象を「同時」に意識してみる。

さっきの計算の様に、順番にではなく、同時に。

二つくらいならまだいける気がするかもしれないが、三つ、四つと増やしてゆくと、とたんに難しくなる。

数が増えるたび、言葉の意味は希薄になる。

逆に言葉にすると、そこに意識がフォーカスする。

そもそも、思考(言葉)でモノゴトを扱うとき、同時に複数のモノゴトは扱えない。

リンゴとコップという言葉を、同時に発することは出来ない。

同じ様に、思考(言葉)で複数のモノゴトを同時に思考することは出来ない。

言葉による理解には制限があるから。

いまこの瞬間に、思考(言葉)が語れることは一つだけ。

ただ、言葉にしていない、意識がフォーカスしていないものの方が、周りにはたくさんある。

せいぜい思考は、その中の一つに気を取られているに過ぎない。